クレッタルムーセン・プロダクトミーティング

2009-6-12 from Minami Senba Store

ブログをご覧に皆様、お久しぶりです。
杉本です。

これから数日に渡り、スウェーデンで行われた、
KLATTERMUSENのProduct Meetingに参加させて頂き、
社長のピーターや、スタッフから直接聞いた、ブランドのコンセプトや環境に対しての思いを、
皆さんにお伝えしていきます。

KM-LOGO1

KM-BAG2

- About KLATTERMUSEN –

このKLATTERMUSEN(クレッタルムーセン)というブランド、
日本では実際のところ、このブランドについて知られていることはまだまだ少ないと思います。

アウトドアのプロダクトとしては今までに使われる事のなかった素材や機能性で、日本のアウトドアファンの心を掴み、
そして、革新的なデザインとファッション性の高さで街中でも受け入れられつつあります。

しかし、実際はまだまだシェアは少なく、
日本でも数あるアウトドアブランドの中の一つとしてしか取り上げられていないのではないかと思います。
ですが、ここから先10年でこの状況が逆転して、アウトドアブランドとしても
環境を考える企業としても最先端になる可能性が充分にある感じました。

実はこのブランド、peter askulvが創業してから25年が経ちます。
スウェーデンの大自然が産んだ老舗と言ってもいいくらい。

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創業25周年を記念してつくられたビール

The main office of KLATTERMUSEN

首都ストックホルムから飛行機で約一時間半、さらに車で1時間ほど走ったオーレに本社がありました。

オーレの町があるOSTERSUND空港に到着してまず感激したのが、
空港内の荷受けの所にクレッタルムーセンのディスプレイが設置されていた事でした。
オーレの町は非常にアウトドアスポーツが活発な所で、
その中でも特にウィンタースポーツが盛んで、5月の下旬でも山には雪が積もり、
街中でも気温は10度から15度くらいと日本とは随分違いました。

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空港のクレッタルムーセンのディスプレー

到着した時間は夜の9時(日本との時差は7時間)だったのだが何故か明るい。
時期的に白夜のスウェーデンは曇っていなければ夜の11時くらいでも青空です。
昼で時間が止まっている国という感じでした。
しかし、着いてすぐは長旅と3回の飛行機の乗換えでげっそりしていたのもあり、
いきなりの白夜に感動するという感じではありませんでした。
驚いたのは次の日の朝。
到着した時の明るさとまったく同じだったので、本当に時間が進んでいるのか
疑うくらいでした。おかげでこの旅の間ずっと時差ぼけが取れませんでした。

今回日本以外からもチェコ、韓国と数名が本社でミーティングを
予定していたのだが、宿泊に用意された場所がクレッタル社員のマティアスの家族が所有する別荘で、
驚いたのはその敷地面積で野球場の2倍くらい。
はなれにはサウナもあった。一人につきだいたい1部屋が割り与えられ、まずその部屋自体が大きかった。
聞くとスウェーデンでは家を2、3戸所有している事は珍しい事ではないみたいです。
かなりの大金持ちで無い限りなかなか日本ではない事だと思います。
なにせスケールが大きかった。

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1日目、朝から近くのハンティングエリアを散策する。
残念ながら野うさぎくらいしか目にしなかったのだが、少し道をそれると鹿やムースなどに出会えるらしい。
サファリパークとは訳が違う。本当の野生という感じでした。
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泊めて頂いた、ゲストハウスのリビング。
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ゲストハウスから車で20分の場所にあるクレッタルムーセン本社。
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建物の1階と2階部分がクレッタルムーセン。1階がコンセプトショップ、2階がオフィスになっていた。
上の画像は1階コンセプトショップの様子。

社員は総勢11人と思っていたより少なかった。カテゴリーごとに仕事を分け、1人1人が受け持つという感じらしい。

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みんなとの挨拶もそこそこにして、いきなりランチ。
1階に用意されたスペースでみんなでサンドイッチやフルーツを食べる。
(奥のポロシャツを着た男性が創業者のピーター。手前の女性がピーターの奥さんエバ。)

スタッフが暖かい日本茶を用意してくれていた。器も日本の物らしかった。
1時間程団欒してから2階のミーティングルームに上がり席に座る。
自分の国の国旗がそれぞれの机に貼ってあり、そこで3日間のビジネスミーティングを過ごした。

The environment is damaged.

1日目のミーティングの始まりはピーターが自身のブランドであるクレッタルについての話でした。
それはブランドの歴史から始まり、現在、未来と彼らが考えている事を教えてくれました。
自分がミーティングを通して感じた事は、
彼らは
製造者として、自然を愛する者としてクレッタルムーセンができることを常に考えながら、ブランドを進化させている
という事でした。

彼の話で驚いたのは、全てでは無いでしょうが今でも自分でミシンを使い、
サンプルを縫い上げるというところでした。
自分でそのサンプルを何十回もテストし、確かめた上で最終のサンプルを工場に依頼する。
それから商品ができあがりエンドユーザーが商品を手にする。
タフな環境でも耐え、使う人間の事を最大限に考えると今でもそうなるのだろう。
そこまでの経緯で完成したプロダクトは彼の思いやスタッフの思いが詰まっているものなんだと感動しました。

彼らは、彼らが作り上げる製品によって環境に与えるダメージをより少ないものにする為に
新しい生地、製品の開発、環境問題を考えるという事にも力を注ぎ込んでいました。
そういった環境問題やブランドとしての取り組みを考えているのがピーターの妻であり、
5人の母親であり、スタッフの一人でもあるエバです。彼女はすごく明るく、パワフルでみんなを和ませてくれました。

彼らが取り組んでいるエコの一つとしてバッグがあります。

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バッグは漁師が使う網や使用済みのカーペットからそれを加工した液体、
リサイクルナイロンチップ、リサイクルナイロンの糸、といった行程で変化して、
最終的にバッグに使われる生地として生まれ変わります。

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元々モノとしてあるものから新たに生み出され、リサイクルされた素材のみを使っています。
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原料となる素材は特別にエバから戴き、お店でも見ることができます。

この生地は、世界で初めてクレッタルムーセンがバックパックに使用したものですが
現在、他ブランド20数社から生地を使いたいというオファーがあると言っていました。
そこで彼らは、「環境に優しい素材は他のブランドもどんどん使うべきだ!」と自分達だけのものにせず、
すべてのブランドに許可を出すつもりだという。
これを聞いて、彼らが使用している生地が近い将来、アウトドアブランドのグローバルスタンダードの一つになるのではないかと感じました。
そして、これから先も彼らが創めたプロダクトが他のブランドでもどんどん使われる事が増えていくだろうと。

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ピーターは、
「自分達を含む小さいアウトドアブランドが真剣に環境問題に取り組むことで、ビッグカンパニーにプレッシャーを与えていければ」
と言っていました。

Why do not you use the GORE-TEX

例えば、アウトドア好きという人以外でも知っている有名な生地の一つでゴアテックスがあります。

彼らはそのゴアテックスの生地を使用しない理由の1つとして言っていたのが、
ゴアテックスは生産過程で大量のカーボンを発生させる、それはブランドとして求めているものではない」です。
地球温暖化における二酸化炭素の排出を少しでも軽減することができるのであれば…とう考えから使わないらしいです。

ゴアテックスが素晴らしい生地であるという事はピーター自身がクライマーなので勿論知っています。
そのゴアテックスの素晴らしさを認めたうえで、
ピーターは実際にゴアテックスと、クレッタルムーセンのシェルでも使用しているウォータープルーフの生地をテストし、比べています。
その結果として判ったのが、ゴアテックスは20回洗うと本来ある撥水能力が80%まで落ち、
彼らが使っているストレッチポリウレタンは20回洗って70%まで落ちるということです。

彼らはアウトドアブランドとして、厳しい環境に耐える生地を選定した上で、10%の落ちる生地をあえて選んでいる。
10%の差でしかないのならば、より環境に優しい素材を彼らは選ぶ、という事でした。
利点としてクレッタルの生地がゴアテックスに比べ、よりストレッチ性が高い点も挙げていました。
動きを制限しない。これは、クライマーならばとても重要視する点でもあります。

彼は「物づくりをする上で時には妥協も必要である」と言っていましたが、
それは妥協ではなく、これからの時代を考えた最先端でもある事と思いました。

自分が今回ピーター達と行動を共にしてクレッタルムーセンについて知った事は沢山ありすぎて書ききれないくらいです。
日本にいる時はまだまだ新しいブランドとして表面的な知識だけだったのですが、
現地のスタッフや係わる人達を知ってここまでエコロジーに真剣に取り組み、
向き合って信念を持っているブランドに出会ったことに今は本当に感謝しています。

続く…