●KLATTERMUSEN Product Meeting Vol.2
Published in Wednesday, July 07, 2010 from Umeda Store
先日と言ってももう2ヶ月近く前の事なんですが今年もヨーロッパ出張へ行って来ました。
今年はスウェーデンとチェコです。どちらも取り扱いがあるブランドの本社がある場所です。
スウェーデンは今年で2回目なんですがチェコは初めて。
スウェーデンはKLATTERMUSEN(クレッタルムーセン)、チェコはTilak(ティラック)。
どちらもお店で提案しているブランドなので気合も入ります。
そもそもヨーロッパに行く理由としては自分がセレクトしているブランドのバックグラウンドをもう一度勉強して
理解したいというのが始まりでした。
アウトドアが好きだったので見てみたかったというのも勿論なんですが、
実際に見て、肌で感じてきたものをお客さんにも知ってもらえたらと思っています。
今回はその時の現地レポートをまとめました。
少し長くなりそうなので何回かに分けて書くつもりですが是非お付き合い下さい。
では。
1日目
朝11時にスウェーデンに向け関西国際空港を離陸。今回もフィンランド経由で首都ストックホルムに向かう。
およそ11時間の旅。
飛行機は去年と比べて静かで快適。エアバスの新型機は今時のタッチパネルが座席に着いたなかなか洒落たものだった。
到着したのは現地時間で昼の4時頃で、先ず1日目は首都ストックホルムにて1泊。
夕方5時過ぎにチェックインしたので外にはあまり出歩けず、明日オーレに移動するまで少し時間があるので
下見としてホテルの近隣を散策。
1年前の今頃に来た時と比べ、少し肌寒く感じる位であまり変わりはなく、空気が澄んでいて気持ちが良かった。
週末でも人が多い日本の繁華街と違って凄くゆっくりしている時間が流れている。車の交通量も少なくて静かだ。
夕食はホテル近くのタイ料理で軽く済ませる。
2日目 晴れ 気温20℃
2日目は昨日のうちに目を付けていた所を朝から回ってみた。午後3時にオーレ行きのフライトだったのでかなり急ぎだ。
アウトドアショップや雑貨屋、ワークショップ、紳士服店、コンビ二からやや大きめのスーパーまで気になるところがあると入れるだけ入ってみた。
昼くらいになると日差しも強くなり、気温も高くなってくる。そこでついつい冷たいものにも手が出てしまう。
その代償としてトイレに行きたくなるが街中ではトイレを探すのがなかなか難しい。
ちょっとトイレを借りにコンビ二へ。みたいな事ができる日本は本当に親切で有難く感じる。
そこでぶらぶらと探しながら歩いていると国立図書館なるものに偶然にも遭遇。
自分がギリギリいっぱいな事も忘れるくらいにここがなかなか凄かった。
さすがヨーロッパというか、さすがスウェーデン。オシャレすぎる。
円形のフロアに隙間なく整理された本はありとあらゆるジャンルがあり、圧巻の一言。
後で解った事なんですがスウェーデンの人って地震がどんなものか知らない人が多いらしく、
質問をしてもアースクウェイク?みたいな感じの答えが返ってくるばかり。
そりゃあ本の並べ方も変わるな。地震が無い国ってこんなところにも違いが出てくるもんなんですね。
そうこうしているとフライトの時間に近づいてきたので地下鉄でホテル近くまで移動。
去年も目にした光景だが、仲良く散歩している老夫婦や街中に何気なくあるオブジェ、豪華客船が停まっているフェリーポートはとてもスウェーデンらしくいい光景だった。
しかし気合を入れないといけないのがここから。
なんせ仕事なんで。
クレッタルムーンセンがあるオーレに着いたのは午後7時頃。
ストックホルムの気温は20℃前後だったがこっちの温度計が示している気温は6℃。
これでも夏の少し前にあたるくらいで、冬の気温は最高で-32℃。そうなると雪で大変なことになり、外に出るのも2階かららしい。
久しぶりに訪れたオーレはまだ山頂に雪が残り、川も凍っていて冬のような感じだ。去年と違い雲が厚くて空も低く感じた。
その日からオーレでは3日間を過ごす事となる。
去年はクレッタル側の好意もあり、スタッフのマティアス宅にステイしたが
今年はクレッタルムーセンショップの目の前にあるアパートメントに滞在することとなった。
3LDKの間取りで1部屋づつを各国のバイヤーがシェアする。去年のビジネスミーティングも国際色豊かだったが、
今年はさらに台湾からのバイヤーが増えて、賑やかなものになった。
オーレの人口は普段4000人くらいだが、スキーシーズンになると6万人まで増えるらしく
冬はスキー、夏はダウンヒルバイクやカヤック、フィッシングなど年間通してアウトドアが楽しめる場所だ。
毎シーズン、W杯スキーのモーグルが開催されている場所でも知られている。冬に行くと上村愛子さんに出会うかもしれないです。
3日目 曇り 気温10℃
去年と同じく、朝8時半からミーティングスタート。
先ずは創業者であるピーターからの挨拶。相変わらずたまに出る親父ギャグがわりと寒い。
寒い国だからというのはあまり関係が無さそうだ。
毎年ここではこうしてクレッタルスタッフを含め、各国のバイヤー達と新シーズンのニューモデルの説明会が行われる。
自分達は勿論だが、じっくり新作を見るのは初めてというスタッフもいる。
始めにピーターからBAGPACKの説明がされ、順を追ってウェア、小物などの説明が細かくされる。
ミーティングは新商品もさることながら、従来の製品をより良くする為にはどうしたらいいかを一つ一つ話し合われる。
誰かが手を挙げて質問をすればピーターが答えるという形だ。
みんなから意見を吸い上げて、良い解決方法や次なる新しいプロダクトに生かす。
こういうことが常に行われているのであれば製品は間違いなく良いものが生まれる。
今回も新作を含め既存のモデルも改良されており、かなり強力なラインナップになっている。
新作だけでなく昔ピーターが使っていたモデルなどがディスプレイされていた。
ちなみに、新作についてここではまだあまり詳しく書けないので興味がある方は店頭でご質問お受けいたします。
その日のミーティングは3時過ぎまで続いた。
5時まではフリーの時間をもらったので駅前の小さいモールで少し買い物。
そして5時からは地元のクライマーであるピエールオールセンの話を聞くこととなる。
ピエールの話はとても興味深くもあり、そして辛く切ない話だった。
ピエールはビデオを用意していた。
そのビデオとは、クライミングを通して1人の女性と出会い、パキスタンの山を一緒に登るまでの記録を綴ったビデオだ。
ピエールはアメリカのカリフォルニア州にあるヨセミテ国立公園でクライミングを楽しんでいた。
ヨセミテにはエルキャピタンという名のクライマーなら1度は訪れてみたい巨大な壁がある。
その壁は花崗岩の一枚岩で高さは1000メートル以上。壁としても世界最大の壁である。
エルキャピタンを登る為に世界各国から腕自慢のクライマー達が集まり、100近くあるルートの中から、中には数日をかけて頂上を目指す。
そこの麓にはベースキャンプがあり、クライマー達の情報交換の場所にもなっていた。
同じ目標に向かって目指す人達にとってそのキャンプは、国は違えど自然と打ち解けあえる場所でもあり、
そこでピエールはエリカという名前の女性クライマーと出会った。
エリカはすごく前向きで、周りの雰囲気を和やかにしてくれる女性で、なんといってもその笑顔が素敵だった。
エリカとは一緒にエルキャピタンを登るに連れて山の話だけでなく、人生を語り合うまでの仲になっていった。
ピエールとエリカは次なる目標にパキスタンへと場所を移す。
パキスタンには8000メートル級の山がある。他も4、5千メートルがざらだ。
去年、チェコのプロクライマーであるマラのビデオでも見たが映像を見るだけでも足がすくむような所で、登ると言うよりも這い上がる感じだ。
エリカはそのパキスタンにある山の一つに挑戦をすることを決めた。
しかも、まだ誰も登ったことが無いルートを自らが探し出し、開拓するというのだ。
山を登るにあたっては先人が開拓したルートなるものが存在し、そのルートに沿って頂上を目指すと言うのがやり方の1つだ。
そうでもしなければ変わりやすい山の天候の中、数メートル先に何があるか解らないような所を登ると言うのは自殺行為に近い。
そして登るのも困難だが、引き返すのもやはり困難なことなのだ。
しかしエリカとピエールはその挑戦を決意した。もちろん十分な準備をして。
目指す山の麓まで行くのに数日を掛けてトレッキング。
ある程度までは車でも行けるが山に入ると車なんて走れるところはもちろん無い。
歩く道もあってないようなものでいたるところで岩がごろごろしている。
そこを数人の現地の人間と一緒に荷物を運んでもらいながら時間をかけて目的地に向かう。そこまでしてやっと麓に到着という感じだ。
キャンプを張り、いざ登頂というところまできた。
そうしてやっとの思いで着いたのだが・・・
2人が登頂する夢は果たされなかった。
テントを離れ、少し外に散歩へ行くと言ったきりエリカは帰っては来ず、レスキューのヘリが捜索してから10日後、
行方不明なっていたエリカが帰らぬ人となって見つかった。
彼女がいなくなる数時間前の記録で冗談を言いながらとても明るく笑っているエリカがいた。
まさに目標は目の前だった。
ピエールに聞くと落石による事故で滑落。見つかった時には息は無かったらしい。
そこでビデオは終わった。そこに居たみんなは何とも言えない気持ちになり、泣いていた。
山は誰でも目指すことが出来、登ることが出来るが、沢山の経験を積んだプロでも思いがけない事故で命を落としてしまう。
自然は安らぎを与えてくれるが、人間には太刀打ちできないくらいの恐ろしさもあるとピエールが最後に言っていた。
その後みんなで夕食を済ませ9時頃に帰宅。
オーレに着いてから疲れも癒えないままだったので直ぐに布団へと潜り込んだがなかなか寝付けなかった。
4日目 曇り 気温12℃
夏のスウェーデンの朝は早い。白夜の為1日のうち3~4時間ほどしか暗くならない。
夜は12時くらいから少しづつ暗くなる感じだ。
その日は6時過ぎに目が覚めた為に朝から1年ぶりとなるオーレを散歩する。
歩いて端から端まで行けるくらいしかない街だが、目の前には大きなスキー場があり迫力満点だ。
ブラブラしていると今回もお世話になっているバーリオ澤田さんと遭遇。どうやら澤田さんも早くに目が覚めたみたいだ。
2人で誰もいない駅の線路を飛び越え、海みたいな湖のほとりで何故か静かに佇む。
その日も8時半からミーティングスタート。
ピーターからウェアを中心とした説明を受ける。
午後からは各国分かれてセールスマネージャーのマティアスと個別にミーティング。
ここは参加しなかったので朝の続きでオーレを散策。
スキーのオフシーズンなので店が閉まっている所も多いがハイシーズンではかなり賑わっているんだろうなと思う。
歩いていてふと気付いたんだが人口4000人という少なさの中、子供とよくすれ違う。
小さい子供も見るがよく見かけるのは17、8才といったところか。
聞くとオーレにはアウトドアを専門とした学校(専門とした科かも)があるそうだ。
一歩外に出れば自然のこの場所ではそんなのがあっても普通なのかもしれない。
夕食は100年の歴史があるレストランで御馳走になる。
マスを使った軽い前菜の次はレインディアーのフィレ肉とポテトのケーキ、
最後のデザートは甘いチョコレートのケーキと果物のシャーベット。
去年インディアーの肉には少し苦戦したが今年はなかなかいけた。
テーブルで席が一緒になったのは澤田さんと田淵さんあとピーターの愛娘(ごめん名前忘れた)と経理担当のトーマス。
ちなみに娘は20歳にして自分で家を買ったらしい。家の相場も日本で買うのが馬鹿らしくなるくらい安い。しかもでかい。
日本ではよく庭付きなんてすごいねとかいうが、こっちは庭なんて当たり前。それより本物の暖炉が2台付いてくる。
5日目 晴れ 12℃
オーレ最終日。
ピーターと奥さんのエバは昨日のうちに休暇に出たようだ。その日は特にビジネスの話や細かい商品の説明はあまりなく、スタッフの一人であるランカンから意見を聞いたくらい。
昼食はオーレに来てからずっと同じレストランで済ませている。もちろんスタッフを含め、バイヤー全員だ。
自分はここのレストランの味はかなり気に入っていた。もちろんメインの料理も抜群に美味かったが、付け合せのサワーキャベツが
特にうまかった。これは同行していたアクシズクインのシンジさんも頷いていた。
ちなみにスウェーデンの料理には必ずといっていいほどポテト系の何かかが出てくる。美味いんだけど体重が気になる・・・。
午後は完全にフリーになり、みんなでショートトリップを楽しんだ。
少し車で走り、マティアスの奥さんが働くチョコレート工場も見学する。このチョコレート工場は、3人の女性が仕事を解雇され、
趣味で作っていたチョコレートが美味しいと口コミで広がってできたのが始まりらしい。
今やスウェーデン国内で150店舗、売り上げは3億5千万円を越えるまでになったそうだ。
こんな言葉があるかは知らないがまさにスウェーデンドリーム。自分もがっつりお土産で購入しました。
その後はクレッタルムーセンショップのスタッフで店長を務めるビッグ赤ちゃんことジョニーのお気に入りの滝まで連れて行ってもらう。
ジョニーもデカイがとにかくここの滝のスケールがデカかった。
間違って足を踏み外し、滝に飲み込まれると一瞬で姿が見えなくなりそのまま浮かんでこなくなる様なまさに怪物といった感じだった。
ここでマティアスとジョニーの2人を見ると熊が冬眠から出てきた様に思えてしまう。
この後、5時半に空港行きのタクシーが迎えに来るので、少しの間だったが一緒に生活をしたみんなに挨拶をしてオーレをあとにした。
今年で2回目のミーティング参加だったがニューマテリアル、ニューファンクションなど新鮮でさらに進化したクレッタルムーセンを感じることが出来た。
デザイナーも新たに増え、新体制で臨むことでより一層パワーアップした商品を来年は見ることが出来るだろう。
それを考えると今からでもわくわくする。
とりあえず日本に帰ってからこの気分のままでアウトドアを楽しむことにしよう。もちろんクレッタルムーセンを着て。
チェコ編に続く・・・・。
去年のプロダクトミーティングに参加させてもらったのも見る事ができます。


































